紅茶文庫

ややななめの視点から、やさしい語り口で元引きこもり・元早大文構生が語ります。要するに読者をかなり意識した雑記です。

ゴーストノート

知ってます?ゴーストノート。

 
いや、昔銀魂のOPですげぇいい曲を演奏していたんだけどそれ以降中々売れないライブバンド、ghostnoteのことではないのですよ。(でも好きだからはっつける)
 
……いやいや、今回はエッセイですよ。さいごは音楽の話からちゃんと逸れますからね。
 
ゴーストノート。弦楽器やドラムなんかを演奏している人にはおなじみの、聴こえるか聴こえないか微妙な装飾音のことです。
さっきのPVのドラムもよく見てると、スネアを打ってるのにはっきりした音が出てない箇所がいくつかありますね。(まぁ、録音と映像の音は一緒じゃないですが……)
 
実は、バラードを演奏するんなら、ドラマーとしてはこれ、使いこなせないといけない技術の一つなんですね。単調なフレーズも唯一無二なものになりますし、繊細なドラマーはこれを効果的に使います。
 
……でね、最近思うんです!ゴーストノートの考え方って、文章やら日常生活での会話やふるまいにも応用できるんじゃないかなって。
 
文章で言えば、助詞の使い方に気を配る人はゴーストノート使いのプロドラマーさんの可能性が高いです。あと、句読点の位置やら、使う記号とか。昨日後輩とTwitterで「……」(3点リーダ)の話をしましたが、あれの数や位置を自在に調整できる人はプロドラマーさんですね。
 
会話だったら、ちょっとした間を埋めるための相槌とか。また、無言でにこって笑ったり、首をかしげたりなんかの非言語的コミュニケーションもゴーストノートの一種なんじゃないかな、これは色々とあてはめられると思います。
 
些細な感情はゴーストノートです。ほんの少し嬉しい、ほんの少しつらい、ほんの少し憂鬱……そんなゴーストノートを自分の内側から、友人から、大切な人から聴き取れるようになりたいな。
 
スピードが速かったり、おっきな音が詰め込まれた音楽を聴きすぎるとゴーストノートのような繊細な音をキャッチできなくなることがあります。たまにはゆっくりとした会話の流れに身を包んで、聴こえるか聴こえないかギリギリの音に耳を澄ませてみたいのです。