紅茶文庫

ややななめの視点から、やさしい語り口で元引きこもり・元早大文構生が語ります。要するに読者をかなり意識した雑記です。

あじさいと相合傘

内側にどこか影のある人が好きです。常に太陽の下、濡れたり吹き飛ばされたりせず、まっすぐここまで来た人もいいけど、時に雨や風にさらされて一度こけたりして、でもなんとかここまで来た人が好き。

 

そういう人と会ったときは、過ぎた嵐の夜について慰めあうためのつながりができた、ではなくーもちろん、その人の歴史を聞くのはとても楽しいけど―内側に困難に打ち勝つための強い力、特にやさしさをもった人同士が会った、と解釈する方が好きです。そういう人は辛い人の気持ちが分かるし。嵐の夜はその辛さを思い出すためじゃなく、自分と人のために経験として生かすためにあるんじゃないかな。

 

次の雨のときはあじさいを見るかもしれないし、傘を差し出してくれる人がいるかもしれない。そして傘を差し出してくれる人は、雨が降ることを知ってる人なんじゃないかな。あじさいは、その傘の中から見ると綺麗に見えるよ。